天野 慶次郎(昭56学機)
【私と中国語、韓国語との関わり】
入社当初は上司から「これからは英語が重要となるから英語を勉強しなさい」とよく言われたものでした。しかし、英語はなかなか上達しなかったこともあり、次第に中国語と韓国語に興味を持つようになりました。
2000年頃、中国語の大学公開講座(初級コース)を受け、その後の韓流ブーム到来時には韓国語を受講しました。その流れでさらに学びたいと思い、茨城大学の留学生に中国語と韓国語を数年間教わりました。
最近になって何か目標を持って生活することが大切と考え、十数年ぶりに中国語の学習を始めました。目標はラジオの中国語放送が聞き取れるようになることです。
【中国語の特徴】
中国語は漢字(簡略化した簡体字を用いますが日本の漢字と共通のものも多い)で表記されるため、ある程度意味は分かります。難しいのは発音です。
中国の漢字の音は一つの漢字が一音節になっており、発音は拼音(ピンイン)と言ってローマ字で表記され、母音字の上には声調符号「- / ∨ \」が付きます。声調とは音の高低を表し、第一声から第四声(四声)まであります。四声により同音異義語を区別できます。逆に言えば、四声を間違えると意味が通じなくなります。
文章の語順は日本語とは異なり、
主語(S)+動詞(V)+目的語(O)です。
【韓国語の特徴】
韓国語は、文法が日本語と似ています。語順は日本語と同じく、主語(S)+目的語(O)+動詞(V)です。また、主語や動詞などの間をつなぐ助詞の使い方も同じですので、日本文の単語を一つ一つ韓国語に置き換えると韓国語の文章が作れます。漢字由来の言葉も多く、日本語と同じ意味の単語も多数あります。
一例を挙げます。
日本語 : 私は 明日 銀行へ 行きます。
韓国語 : 저는 내일 은행에 갑니다.
チョヌン ネイル ウネンエ カムニダ
ぴったりと一対一に対応している事が分かります。
韓国の文字はハングルと言い、ハングルを覚えれば文章は読めます。さらに、語彙力をつけることにより内容も理解できるようになります。
以上のことから、中国語と韓国語は共に日本人にとってはとても学習しやすい外国語であると言えます。
【特に小学生におすすめ】
中国語、韓国語の講座(初級コース)では、発音を重視し、発音練習に多くの時間を割いています。また、両言語はどちらも日本語に比べ母音及び子音の数が多く、従って英語に近い発音も多くあります。
例えば、日本人は「n」と「ng」の発音を区別できません(無意識のうちには使い分けている)が、中国語、韓国語では明確に区別しています。また、「ing」は日本人の多くは「イング」と3音節で発音しますが、両言語ともに1音節です。
これらのことから、中学生になって本格的に英語を学習するに当たり、発音という観点から大いに役立つと思います。
小学生は耳が良く、正しい発音を聴き取る能力に優れています。さらに、記憶力が良いため、大人より短時間で身につきます。以上のことから、中国語または韓国語の学習は特に小学生におすすめです。
【幸せの隠し場所】
韓国の小学国語の副読本(書籍名:지혜의 힘/日本名:知恵の力)に興味深い話が20話位掲載されていましたので、その中から一話を選んで和訳し、要点を以下に紹介します。(原典はギリシャ神話のようです)
この世界が創造されたとき、人間には予め幸せが与えられていました。しかし、幸せを持っていた人間は日増しに怠けて高慢になりました。このような状態に天使たちは我慢できなくなり、会議を開いて、人間から幸せを取り上げる決定をしました。しかし、「取り上げた幸せをどこに隠すべきか」という新たな悩みが生じました。
「海の中一番深いところに隠すのはどうか」「一番高い山の頂上に隠すのはどうか」などの意見が出ました。しかし、天使たちは、「人間は頭が良すぎるから、その何れでも探し出してしまうに違いない」と考えました。
議論の末、最後に考えついたのは、人間の心の中に隠すことでした。ここなら、人間がどんなに賢くても見つけ出すことができないだろうと考えたのです。