寄稿「定年後の時間の使い方」菊地則行(昭55学情)(支部会報第44号より)

寄稿 定年後の時間の使い方

菊地 則行

菊地 則行(昭55学情)

私は令和2年5月に満65歳の誕生日を迎え、40年の長きにわたり続けてきた会社生活を退きます。これまで会社中心の生活を送ってきたため、これから先、どの様な生活をして行こうかと考えるのも楽しい時間の過ごし方になっている今日この頃です。

一方、男は仕事人間で会社以外に付き合いが無く、退職と同時に目標を失い、何の楽しみも趣味もなく「日がな一日テレビを見るだけの生活」を送るとか、「かみさんの行くところにどこにでもついて行き」鬱陶しがられたり、「四六時中顔を合わせている」ことを嫌がられ、挙句の果てに「熟年離婚」というコースを辿るといった暗い話を多く耳にしていました。

実際、そんな人ばかりではないでしょうが、自分自身も以前、妻が事故で長期入院した際に、貴重品から日用品まで、どこに何が有るか全く分からない生活に閉口したことを思い出し、一日も早い妻からの自立を図るべく、まずは家族以外の仲間作りから始めました。

同じようなことを考える人も多いようで、十年ほど前、「定年後も定期的に集い、酒を酌み交わし、共に遊べる会」を築こうと声をかけると、出身地も出身校も会社も違う異業種の仲間が集まり、「ひつじ会(未年生まれの会)という会を結成し、楽しんでいます。ここのところ退職するメンバーも増えてきましたが、これまでと変わりなく泊りの旅行や飲み会を催し、同じように興味を引く趣味を紹介し合ったり、各々の置かれた立場での仕事の不満や愚痴、解決策等を話し合い、他愛のない話をし、ストレスを発散させながら活動を続けています。

定年を間近に控えた皆さんには是非、会社以外の人脈作りをお勧めします。

これとは別に、三十年ほど前から地域活動やボランティア活動にも関わりを持つようになっています。初めは、父親に一年交代の自治会長の順番が回ってきたことがきっかけで、その仕事を手伝う内に「少しずつ深みにはまっていった」というのが正直な気持ちでしたが、続けている内にそれまで全くお付き合いの無かった地域の皆さんとの交流が増え、顔を合わせれば挨拶を交わすような関係もできてきました。

この活動では、これまでは全く気にもせず、興味なかった地域の市民運動会やお祭り、イベントなどにも取り組むようになり、会社の仕事とは全く違った時間の過ごし方や仕事の達成感も味わえるようになり、これが程よい会社生活のストレス発散の場になっていました。

色々な地域のイベントを企画したり運営したりしていると、苦労もありますが、みんなで作り上げたイベントが終わった時の達成感は何とも言えず、打ち上げの会で飲む酒の味も格別です。

さて、ここまではこれまで取り組んできた活動で、言わば過去の活動です。ここからは将来にわたる未来の活動について、夢を含めての構想について書いてみたいと思います。

初めからこれまで全くやっていない活動に挑戦するのは無謀なので、これまでの延長線上の活動、取り組みの中で、どうすれば幅を広げ、活動を活性化できるかを考え、実践して行くことに注力していこうと考えています。

少子高齢化が進む世の中で、老々介護や一人暮らし世帯の高齢化を考えると、今後は行政に任せきりにはできず、地域住民のボランティアによる相互生活支援が不可決であると考えます。そこで今後の活動の目標を「ボランティアによる明るい社会づくり」としています。

近年の各種ボランティア活動や地域活動が抱える問題点は、活動に参加、協力する人材の高齢化と減少です。

色々な活動をする組織や団体のメンバーはどこを見ても同じ顔ばかり、「金太郎あめ」のようなもので、組織が変わってもメンバーが変わらないため、一人ひとりが掛け持ちで負担ばかりが増え、活動の幅が広がらないのが悩みです。それに加え年々メンバーの高齢化が進み、活動そのものも縮小化していく傾向にあります。これを打開するためには新しく参加するメンバーを増やし、メンバー個々人の負担を減らすことが急務と考えています。

一方、世の中では社会保険制度の不安から、政府が定年延長の方向を模索し、70歳まで働けるように実業界に働きかけることで、益々ボランティア活動に取り組みにくい状況に陥っています。実際に「活発に動ける目安は70歳まで」と言われる中で、生活の基盤である年金の支給年齢が引き上げられることになれば、自分自身の生活基盤を犠牲にしてまでのボランティア活動に参加するなど全く考えられなくなります。

次世代のボランティア活動の担い手を発掘し、誰でも気軽にボランティア活動に協力できるような社会的雰囲気の醸成と一人ひとりの活動の負担軽減のため、引き続き地域の人々や行政とも議論、検討しながら改革に取り組んでいくことが今後の目標であり、目標達成が夢です。

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