2020年度 元気会活動報告
天野 慶次郎(昭56学機)
「元気会」は、故国松義輝氏(昭18専金)と故山本杢兵衛氏(昭20専通)の発案により、「喋る、笑う、ストレス追放」を目指し、会員の健康で長生きの為の懇親会として、平成10(1998)年2月に発足した同好会です。以来、毎月1回、会員が持ち寄った科学技術・法律・教育・健康衛生・語学など幅広い分野の話題を紹介し合い、自己啓発やグループ教育の場ともなっています。
2020年度の元気会は、新型コロナの影響を受け、わずか3回の実施にとどまりました。7月は「みと文化交流プラザ」で、10月・11月は「交流サルーンいばらき」で、それぞれ十分な感染予防対策を講じて開催しました。
開催月 | 講 師 | 内 容 |
7月 | 坂場英太氏 岡野博親氏 | 生物の呼吸システム 16の健康神話を徹底検証 |
10月 | 吉田一廣氏 天野慶次郎氏 北条勝彦氏 | 元気会創設理念 中国語入門 みんな最後は肺で死ぬ |
11月 | 吉田一廣氏 塩谷建二郎氏 | 日本学術会員任免の論争 常陸に於ける佐竹家 |
以下に学術的話題を中心に講義概要を紹介します。
【生物の呼吸システム】(坂場氏)
本講義では様々な動物(軟体動物、尾索動物、魚、昆虫、人、鳥類、恐竜)の呼吸システムが紹介された。
その中で特に優れた鳥類の呼吸システムについて説明する。鳥が空気を吸い込むとき、空気はまず後気嚢に入っていく。そのあと呼気は肺から前方の気嚢を経て外へ出る。肺の中を空気が一方向にのみ流れていくため、常に新鮮な空気が肺に供給される。これにより、鳥類は標高1500メートルでは哺乳類よりも200%も効率よく酸素を取り入れることが出来る。
鳥の呼吸モデル
鳥類の祖先ともいうべき恐竜は、鳥類と似た呼吸システムを持っていたため、酸素濃度の低かった二畳紀(ペルム紀)を生き延び、酸素濃度が回復した三畳紀(トリアス紀)に爆発的に進化を遂げたという説が紹介された。
【16の健康神話を徹底検証】(岡野氏)
前年度3月に続き、健康に良いと信じられていたことが、必ずしもその通りではないことが紹介された。
●グルコサミンは関節痛に効く
→(X) サプリを飲んでも関節まで届かない
●コラーゲンでお肌がプルプル
→(X) コラーゲンは胃腸で消化できない
●骨粗しょう症にカルシウム剤が効く
→(X) 摂りすぎると逆効果(骨が脆くなる)
●漢方薬は天然で安全
→(△) ひどい副作用のあるものもある
●カロリー計算で肥満予防
→(X) カロリーではなく糖質制限が肝心
【みんな最後は肺で死ぬ】(北條氏)
脳梗塞、がん、糖尿病など歳を重ねるほどに罹りやすい病でも最後はほとんど肺炎で亡くなるそうだ。そんな肺炎の中でも圧倒的に死者が多いのが「誤嚥性肺炎」で、60歳以上では、肺炎による死亡者の96%が誤嚥性によって絶命している。しかし、誤嚥性肺炎は努力次第で防ぐことが出来る。それは、「喉」を鍛えることであり、その方法を紹介する。
「まず、おでこに手のひらを当てて、手とおでこを押し合う。この状態でおへそをのぞき込むようにおでこを下方向に動かす。こうすればのど仏が上がり筋肉も付く。この体操を10秒間×3回毎日続ければ嚥下機能の低下は防げる。」
